飛 葉 の 修 行
〜扶桑武侠博GL小説〜

著者:葉月たまの

!警告!
この小説は18歳以上を対象とします。18歳未満の方は移動してください


 強い北風が飛葉に吹き付ける。飛葉はそんな風にも負けず、一人決意する。
「いつまでも菜花に守られているばかりじゃ嫌だ……もっと成長しないと……ボク……」
 こうして飛葉のつらい修行の日々が続く……。

  *  *  

 ……筈だったが、天然自然児な飛葉には、修行と言っても、どんなことをしていいか、わからない。とりあえず、菜花に聞いてみることにする。
「……ねえねえ、菜花? ボク、成長したいんだけど、どうしたら成長するかな?」
 菜花と呼ばれた女性は、飛葉の方を見た。
 菜花は武侠としてもちょっと古風な感じの女性であった。ボーイッシュな少女の飛葉とはいいコンビと言えた。
 その菜花は飛葉の巨大な胸を見て、一瞬沈黙する。
「……成長って……もうそれ以上成長する必要はないと思うが……の……?」
「嫌だよ、嫌だよ!! ボクだって、菜花のために成長したい! 菜花のために頑張りたいんだよ!」
 飛葉は一生懸命言う。その勢いにたじろいだように菜花は躊躇いながらも言った。
「……それなら……その……揉めば成長する、と聞いたが……の……」
「揉むって、どこを?」
「その……胸を……じゃ」
 菜花はちょっと恥ずかしそうにぼそぼそ言う、飛葉はぐっと可愛らしくガッチポーズして、言い放った。
「胸を揉めばいいんだね! 分かった! ボク、頑張ってみるよ!」
 ……こうして飛葉の修行の日が始まった。

  *  *  

 飛葉は早速、薮の中に駆け込む。
「さてと修行頑張るぞ! 揉むって……服の上からでいいのかな……?」
 元気よく飛葉は服の上から胸を揉み揉みする。一生懸命、無心に胸を揉んでいく。そして段々その行為が気持ちよくないっていく……。
 飛葉は段々顔を上気させ……そしてはぁはぁ荒く息を吐き出しながらつぶやいた。
「あ、あれ……変だよ……何だか……胸が……気持ちいい……。もう止まらない……そんな感じなの……」
 飛葉は胸を揉みながらも……服の上からの微妙な感覚がじれったくて、さらに気持ちよくなるのを求めて……上着をずらして、上半身をその場にさらけ出した。
 外はまだ冬……冷たい風が肌を刺すが、それすら今の飛葉には感じられないくらい、身体が熱い。
 でも、幾ら胸を揉んでも……微妙な刺激しか得られない。裸の胸にじかに揉んでも何だか段々快楽が得られなくて、むなしい感じがする。
 飛葉は……胸の先端……乳首をそっと摘むように指で転がすことにした。
「はぅ……これなら……感じる……うん……気持いい……」
 胸の先端だけ、何だか自分の身体ではないような、そんな微妙な感覚に囚われる。でも、そこだけの感覚が鮮烈で……ただそれだけをする機械のように、飛葉は夢中で乳首をいじった。
 だが、次第に……下の敏感な部分が……中に何か入れて欲しい、と欲しているのに気づいてくる。胸をこのままずっといじっていたい、という感覚と、でも、下もいじって欲しいという感覚がせめぎあい、次第に下をいじって欲しい、という感覚が勝ってくる。
 飛葉は地面に仰向けに寝そべったまま、もぞもぞと急いではいているスカートと下着を脱いだ。そして我慢しきれないように、指を濡れている秘所に丁寧にでも急いで突っ込む。
「あぅ……う、うん、これ、これ……気持いいよぉ……」
 飛葉は最初はゆっくりと自分が感じるように指を動かす。段々強い感覚が秘所から伝わってくる。それに合わせて次第に飛葉の指の動きは早くなっていく。しかし、どうしても達することが……できない。
「あれ、変だよ……変だよ……どうしていけないんだろう……」
 やがて体力が尽きて、飛葉はぐったりとその場に倒れこむ。それでもこのままイカないと凄い辛いので、少しでもまた自分が高ぶるように、そっと下の敏感の部分を慎重にいじった。
 そしてまた下が何かを入れて欲しくなり欲しくなり、指を入れるのだが……でも、何度試みてもいけない。飛葉は段々心がせつなく、そして身体は高ぶりすぎて苦しくなってくる。
「変だよ、変だよ、おかしいよ……。いけないよ……助けて、菜花……」
 飛鳥は必死でいつも自分が高ぶったときに宥めてくれる女侠の名前を呼ぶ。でも、その声は菜花には届かない。
 と、そんなことを寒い中で繰り返していたせいか、段々トイレに飛葉はいきたくなってきた。さすがにこの場でしながらする、という選択は年頃の女の子の飛葉にはできない。
「うう……とりあえず……トイレ……」
 飛葉は立ち上がって、そこらの藪の中でそれを済ませた。それでいけなかったものの、少し身体がすっきりして、飛葉はもそもそと洋服を身につけ始めた。
「これでボク、強くなったのかな……菜花を守れるくらい強くなったのかな……。それともやっぱりイカないと駄目なのかなあ……」
 飛鳥は不安そうに胸の前でぎゅっと拳を握り締めた。

  *  *  

 それからというもの、飛葉は菜花に隠れて胸を揉み続けた。そしてその刺激に我慢できなくなり、もっと強い刺激を求めるのだけど、どうしても最後までイケない、そんな日々が続いた。
 そんな折、飛葉と菜花は盗賊団退治を頼まれた。飛鳥と菜花はこっそり盗賊の住まう屋敷に潜入する。そして暗い廊下からこっそりと盗賊達が宴会を開いている広間を覗き込む。
「ふむ……1……2……100人くらいいるかの……。まあ、童ならばあれくらいの人数倒すの、余裕じゃの」
「うん……でも、ボクも菜花に巻かせきりにしないで、頑張る! だってね、ここ数日、ボクも菜花に負けないで頑張って菜花の言う通り、修行したんだよ……」
「ほぉ……それは頼もしいのぉ……。でも、それにしては全然、肩とかの肉付きは増えてないのぉ……」
 菜花はポンと飛鳥の肩を叩いた。その途端、飛葉は全身をびくっと震わせて、顔を赤くして横を向く。
 こんなときだというのに……もう我慢できない。身体は強く刺激してもらうことを求めていた……。
「菜花……お願い……もう我慢できないよぉ……」
 飛鳥は潤んだ目で菜花を見上げると、上着を肩から滑らせて、上半身、裸になる。菜花はぎょっとしたように、2、3歩、後ずさる。
「ま、ま、待て……さすがにこんなところで爆発されても、困るぞ……」
「駄目なの、駄目なの……お願いだよ……もう我慢できないの……。このままだと、ボク、どうにかなっちゃう……」
 飛葉はスカートをめくり上げ、下着をずらすと、菜花を挑発するように自分の指で敏感な部分をこすり始めた。次第に指の動きは激しくなり、そしてくたりとその場に崩れ落ち、脚をM字に開き、仰向けに横たわる。
 激しい喘ぎ声をあげて、菜花の方を哀願するように見ながら、必死に自分を宥めようとその行為を続ける。
 菜花はそのとき、飛鳥の身に付けている黒皮の首輪を見やった。
「(またしてもあの首輪の魔力が暴発したな……こうなっては……鎮められるのはわらわだけじゃ……。こうなっては敵に切り殺されるまで飛葉はこの行為を続けるじゃろう。今のうちに宥めておくのがよかろう)」
 飛葉は前に菜花と一緒に冒険したとき、魔法の首輪を付けられ、一度欲情したら菜花以外の手ではいけない、という呪いを掛けられたのだ。
 菜花は飛葉のM字に開いた正面に、膝をついて座り込む。そして両脚に手をかけて、さらに開かせる。
「おーお、凄い濡れておるの……」
「やだ……菜花ってば……」
「少し声を落してくれぬか……? それならば……この場でわらわが……お主を静めてやろう」
「う、うん……」
 飛葉は菜花に全てを委ねることにした。

  *  *  

 その晩、盗賊達は獲物を遅い大収穫だった。そして……今宵は祝福の宴を催していた。酒を飲み、美味しい料理を食らい、わいわいかやがや騒いでいた。
 と、そんな風に騒いでいた盗賊の1人がトイレに出よう、と立ち上がり、廊下に向かう。そして……廊下の声に気づく。
「菜花、う、う、うん……そこ……もっと……激しく……うん……」
「ほら、大声出すではない。こんなところ、見られたら……お主、どうするつもりじゃ?」
 何だか女の子の可愛らしい喘ぎ声と荒い息遣いが廊下から聞こえてくる。盗賊はこっそりと廊下を覗いた。そして……我が目を疑った。
「どうしたんだ?」
 仲間の盗賊がその盗賊に声をかけてくる。その盗賊はシーッと慌てて人差し指を唇に当てた。
「お、おい……あれ……」
 その盗賊は廊下の二人の女性を指差す。女の1人は服をずらして裸をほとんどさらけ出していて……何より、もう1人の女性に一生懸命身体をいじってくれるようにせがんでいる。その様子があまりに無邪気で可愛らしい。そういえば半裸の女性は顔も幼い感じがして童顔で綺麗だ。
 盗賊はその二人に目を奪われて、離せなくなった。そして……その二人に気づいて、盗賊達は次々とその場に集まり、二人の女侠の行為に見入った。

  *  *  

 飛葉の身体の中に入っていた菜花の指の動きが、段々早くなる。飛葉は身体を思い切りのけぞらして、身体を激しく動かし、その指がもっと身体の奥まで届くよう、夢中で頑張る。
「菜花、イクよ、イクよ……もうイクっっ!!」
「ああ、行ってもいいんだぞ……?」
「ああっ、もうだめっ!!」
 飛葉は激しく身体を痙攣させ、やがて尽きて倒れた。
 菜花は飛葉の中から指を抜く。そして飛葉の液で濡れた指を口に含んで舐める。
「どうだ、これでもう満足かの……?」
「う、うん……もう大丈夫だけど……今度は……力尽きて動けない……。だって、ずっと我慢してたから……。もう限界まで体力、使い果たしちゃって……」
「仕方ないのぉ……ちょっと待っておれ」
 菜花は舌で飛葉のびしょびしょに濡れた下半身を優しくふき取る。丁寧に丁寧にふき取る。飛葉は微妙に身体をもじもじさせるものの、やっぱり体力が尽きて動けないようにされるがままだった。
 とそのとき、カタンと廊下の先から音がする。菜花が顔を上げると……今まで二人の行為に見入っていた、盗賊たち100人と目があった。
「な、な、な……おぬしら、そこで何をしておるっ!?」
 菜花は赤くなりながらも、震える指を盗賊たちに突きつける。盗賊たちは罰が悪そうに首を振る。
「おぬしら、ずっと見ておったな!!」
 盗賊たちは菜花の勢いに押されて、プルプル首を振る。でも……さすがに誰が見ても、それが嘘なのはバレバレである。
「おぬしら、まとめて吹っ飛ばしてくれるわ!! 天文八卦掌、天掌、天文覇気功!」
 天文会最強の奥義が盗賊達を襲う。その途端、盗賊たちは……屋敷もろとも木っ端微塵に吹っ飛んだ。

  *  *  

「……見られてたんだ、ボク……もう恥ずかしくて、死んじゃいたいよ……この人たちにもボク、きっと淫乱と思われたよ……」
 気絶した100人の盗賊を前に、飛葉は泣きながら、ずんと落ち込む。年頃の女の子にとっては、自分をえっちな目で見られることは耐えられないことである。ましてや飛葉は、自分から、もう自分を貶めるような行為、と思っていることをしてしまったのだ。落ち込むのも当然だ。
 そんな飛葉に菜花は優しく声をかける。
「大丈夫じゃよ、この者たちは……わらわが懲らしめておいたから……それにの……」
 菜花は言葉を切る。飛鳥は涙に溢れた目を不思議そうに菜花に向ける。
「わらわは……飛葉が淫乱などとは思わん。飛葉はとっても純粋な女の子じゃ……。わらわはそのことを知っておる……」
「……菜花!」
 飛葉はぎゅっと菜花に飛びつき、菜花の顔を胸に抱いた。菜花は微かに顔をしかめる。
「これこれ……そんなに豊満な胸を押し付けるではない。というか……また大きくなったのではないか……?」
「……うん、そうなの。菜花の言う通り、訓練してたら、どんどん胸が大きくなってきちゃって……。何だか前より身体が重くなって、胸も走ったりするとゆれて邪魔だし……前より身体の自由が利かなくなっち感じみたいなの」
 それを聞いて菜花はあきれたように息を吐き出す。
「訓練って、胸を揉んだら成長する、といったアレのことか……? 馬鹿じゃのう……飛葉は……」
「ひどっ!! ボク、馬鹿じゃないもん!!」
「そうじゃの……飛葉は素直なだけじゃな、そこが飛葉の魅力だな」
 菜花は飛葉の背中に手を回して、ぎゅっと飛葉のことを抱き締めた。飛葉は照れたように赤くなるけど、やがて気を取り直して言う。
「でも、ボク、頑張って強くなるよ! だから、これからもかなり辛い修行だけど、我慢して胸を揉み続けるね!」
 その言葉を聴いて、菜花はあきれたように笑うのみだった。


 扶桑武侠博GL小説(R18) 『飛葉の修行』

 完



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